エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「……美。久美」

先生の声が、遠くに聞こえる。返事をしなくちゃ、そう思うのに目を開けられない。

夢のような夜の余韻が残っているからか、気分がふわふわしている感じだ。

なかなか返事ができないでいると、唇に柔らかい感触を覚える。これって、先生のキス……？

ふと目を開けると、先生の穏やかな笑みが見えた。いつのまにか朝になっていて、眠っていたみたい。

「もう、朝なんですね……」

夢心地で呟きながら、少しずつ我に返る。先生の優しさと気持ちに甘えてしまい、お泊りしちゃった……。

「そう、朝だよ。といっても、まだ早いけど」

先生がそう言ったから、私はスマホで時間を確認する。すると、六時だと分かった。

たしか、今日は先生はお昼から勤務だったはず。

「すみません、先生。私、もう帰ります。ご迷惑をおかけしてしまって……」

急いで起き上がると、自分が服を着ていないことに気づき、途端に恥ずかしくなる。

ベッドの下に落ちている服を取ろうとすると、それより先に先生が私を押し倒すように覆い被さってきた。
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