エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
ドキドキと胸を高鳴らせながら先生を見つめると、優しい笑みを向けられる。

「迷惑なんて、かけられていないよ。きみを引き止めたのは俺だから」

「でも、お泊りしちゃいましたし……」

と言っている間から、先生は私の首筋にキスを落とす。思わず声が出そうになり、咄嗟に手で口を押さえた。

「なんで、止めるんだ? 声を出したっていいだろう?」

先生に意地悪く聞かれ、私は照れくさく思いながら答える。

「だって、朝ですし……」

「朝だと都合が悪い? 俺は今、引き止めてるんだけど」

「で、でも先生はお昼から勤務なんじゃ……?」

胸が高鳴る。それに気づかれるんじゃないかと思うくらいに、先生の手は私の胸付近を這っていた。

「そうだよ。だから、まだ時間がある。久美を、独り占めしたいと言ったろう? 二人きりのときは、遠慮しない」

「先生……」

強く唇を塞がれ、甘い声が漏れていく。朝から先生に求められて、拒む理由なんて見当たらない。

“独り占めしたい”

その言葉が嬉しくて、胸の高鳴りを抑えられなかった。
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