エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
先生との甘い時間のあと、シャワーを浴びてメイクを直す。広い洗面台は綺麗に使用されていて、大きな鏡は汚れ一つない。

寝室も片付けられていて、忙しいなかでも部屋が整頓されていることに感心してしまった。

「久美、支度できた?」

ドアの向こうで、ノック音とともに先生の声が聞こえる。私は急いで髪を結び直すと、ドアを開けた。

「すみません。お待たせしました」

先生は病院へ向かうのだから急がなければいけないのに、待たせてしまい申し訳なく感じる。

すると、そんな心とは反対に、先生は私の腰に手を当て引き寄せた。

「髪をアップした姿も可愛いんだな」

「せ、先生……。あまり、お時間がないんじゃないですか?」

そっと彼の胸に手を当て、わずかに抵抗する姿勢を見せる。あまり効果はないと分かっているけれど、とても恥ずかしいから……。

すると、先生は唇にキスを落とした。

「ないけど、きみを見ているとキスをしたくなる。やっと、俺だけのものにできたって気がするから」

「先生ってば……。でも、どうしてそこまで私を、想ってくださるんですか?」

こんなに甘い言葉をかけられて、嬉しくて胸が高鳴る。だけどその気持ちと同じくらい、彼の想いが不思議にも感じていた。
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