エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「隆斗先生ですか……?」

先輩が、私のことを? わざわざ高野さんに、なにを聞いていたんだろう。

怪訝に思っていると、高野さんは続けた。

「えぇ。お二人は、高校時代の先輩後輩だったんですね。小松さんの、今日の訪問時間を聞かれて……」

「そうですか。実は、先輩とは高校の部活が同じだったんですよ」

高校時代の話をすると、高野さんは興味深そうに聞いてくれた。それにしても、先輩はどうしたというのだろう。

高野さんに、今日の訪問時間を聞いていたということは、私に用事があるということよね……?

どうしても気になっていると、高野さんが思いついたように言った。

「そうだわ。内線をかけてみますか?」

「えっ? それは、さすがにご迷惑では……? 先生は、診察中かもしれないですし」

「それなら大丈夫です。隆斗先生は、当直でしたから、勤務は終わっているはずですよ」

そう言いながら、彼女はどこかへ電話をしている。私は戸惑いつつも、高野さんの様子を見守っていた。

時間に余裕を持たせているから、先輩に会うのは大丈夫だけれど、いったいどういう用件があるのだろう。

少し心配──。
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