エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
どんな内容だろうと不思議に思っていると、先輩は急に真面目な顔つきになった。

「単刀直入に聞くよ。久美ちゃんって、兄貴と付き合ってる?」

「えっ……? な、なんで、そんなことを聞くんですか?」

予想もしなかった質問をされて、戸惑いを隠せない。そんな私を察したかのように、先輩は視線を鋭くさせた。

「土曜日に駅まで兄貴に送ってもらってなかった? 時間的にも、前の晩に泊まったのかなって思ったんだけど」

ギクッとしながら、キスをしていたところを見られていないか不安になる。でも、それを見られていたら、付き合っているか聞くわけないか……。

たぶん、車から降りたところを目撃されていたんだ。あのとき、先生と手を握り合っていたから、それを見られて疑われているのかも……。

どうしよう。違うと否定したほうがいい? それとも、認めたほうがいいの?

先生にまったく相談していないから、返答に困ってしまった。すると、先輩が深いため息をついた。

「久美ちゃん、兄貴はやめとけよ。身内でも勧められないな」
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