エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
先生の愛を感じます
「せ、先生……。だめです。ここは病院ですから」

慌てて彼の体を押し返そうとすると、さらに強く抱きしめられた。

「分かってる。これ以上、なにもしない。だから、もう少しだけ……」

「先生……」

私も、抱きしめ返したい。だって、ずっと会いたかったのだから。声だって聞きたかった。

だけど、ここで私が応えるのをためらうほどに、病院が神聖な場所に感じる。

自分の気持ちを抑えながら、手は真っ直ぐに下ろしていた。

「久美に、渡したいものがあるんだ。それに、きみにゆっくりと会いたい」

耳元で囁かれるように言われ、小さく頷いた。こんな風に強引にされても、私の胸はときめいている。

「はい、日曜日は大丈夫です。私も、先生に会いたいので」

先生も、会いたいと思ってくれていたんだよね……。思いが同じだと分かれば、満たされる気持ちがある。

すれ違ってばかりだけど、先生との恋を頑張ろうと思えるから……。

「よかった。高野さんから、今日きみが訪問すると聞いて、時間を見計らってここへ来たんだ。入れ違いにならなくて、安心したよ」
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