エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
その夜、先生からメールがきていた。日曜日は、十九時頃迎えにきてくれると。

日曜日でも、先生は一日中勤務。そんな多忙ななかで、迎えにきてもらうわけにはいかない。私から、先生のマンションに出向くということで、なんとか納得してもらえた。

日曜日は、クッキーを焼いていこうかな。以前に、コンシェルジュの人に渡したケーキの話に触れたいから。

話のきっかけになるだろうと思い、クッキー作りを決めたけれど、本当は迷惑ということはない……かな?

ケーキのことは、結局先生からなにも触れられていない。もし飽き飽きして、食べたくないと思われていたらどうしよう。

そういう不安もあるけれど、やっぱりクッキーは作った。直接渡せば先生の反応が分かるし、迷惑そうなら次からやめよう。

ラッピングをして紙袋に入れると、先生のマンションへ向かった──。


《すまない。まだ帰れそうにないんだ。部屋に上がっててくれないか?》

マンションに着いたタイミングで先生に電話を入れると、そう言われてしまい動揺する。

そもそも、合鍵を持っていないのにどうやって?と疑問が湧いた瞬間に、先生はコンシェルジュに鍵を渡してあると続けた。
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