エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「これを、私に……。言葉にならないくらい、感動しました」

いつ買ってくれたんだろう……。忙しいはずなのに、こんな高価な指輪を贈ってくれた彼の想いに胸が熱くなる。

恵さんのことは、きっと深い意味はないのよね。デートなんて言葉もあったけれど、深い意味はないのかもしれない。

今、私の目の前にいる先生は、本気で私を想ってくれているのが分かるから。

「サイズが合ってよかった。きみを俺のものだと、見せつけたくてね。この指輪、はめててくれるだろう?」

「もちろんです。でも、ずっとはめてていいんですか? 誰かに聞かれたら、どう答えていいのか……」

嫌みな感じはないから、仕事中でもはめられそう。だけど、左手薬指に指輪は目立つと思う……。

「俺と付き合っていると、話せばいいんじゃないか? それとも、久美の仕事に支障をきたしてしまう?」

「えっ⁉︎ いいんですか? 私のほうは大丈夫ですけど、先生のご迷惑にならないか心配で」

「迷惑? なんで?」

怪訝な顔を向ける先生に、私は困惑した表情を見せる。

「だって、先生はソンシリティ病院の次期院長候補です。私と付き合っていることが、マイナスイメージになったら……」
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