エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
周りの人にはどう思われるだろう。不釣り合いに見えるだろうし、それを私が言われるのは構わない。

だけど、病院内で先生のよくない噂が流れたら……? それで、仕事に支障をきたしたらどうするの?

ネガティブな考えばかりが頭を巡る。すると、先生はふっと小さく微笑んだ。

「次期院長候補だと、恋をしてはいけないか?」

「いえ、そうじゃないですけど……。でも、私の存在が、先生の足手まといにならないかって心配で」

「俺は、こんなにきみが好きなのに? きみのことを、恋人だと堂々と言ってはいけないか?」

優しく肩を抱かれて、顔を近づけられる。ドキドキしながら小さく首を横に振ると、そっと唇を塞がれた。

私の唇を軽く吸うようにキスをした先生は、一度離すと再びキスをした。

「ん……。せ、先生……」

今度は濃厚な口づけに、頭がクラクラしてくる。呼吸が乱れる私の首筋に、彼のキスが移動してきた。

「久美との交際を、オープンにしたいんだ。いいだろう? きみを、俺だけのものだと言いたい」

先生が、こんなに独占欲の強い人だなんて意外……。いつだって、冷静で落ち着いた雰囲気の人なのに。

でも、嫌じゃない。むしろ、嬉しいくらい……。

「はい……。私も、先生とお付き合いしていることを話します……」

といっても、聞かれれば……だけど。自分から話すのは、さすがに恥ずかしい。

「よかった。久美……会いたかったよ。きみに会えない時間を、これほど長く感じるとは思わなかった」
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