エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
なにか不自然な感じがする。どうしよう……。このまま、先輩と食事をしてもいいのかな。

迷いが生じ始めたとき、背後から声がした。

「隆斗先生?」

思わず振り向くと、そこには堂浦先生と他に六人の男性がいる。みんな、三十代くらいの人でスーツ姿だ。

先生がいて驚いた私は、ただア然としてしまった。でも先生は、表情一つ変えていない。

「あ、杉内先生。お会いしましたね」

どうやら、先生と一緒にいる人たちも医師らしい。さっき先輩は、先生と学会が一緒だったと言っていたっけ。

その帰りにここへ寄ったということなのかな……。先生に会えるなんて、こんな偶然は嬉しいはずなのに、隆斗先輩と一緒でかなり気まずい。

「そうですよ。隆斗先生のほうが早かったですね」

杉内さんという先生は、私にちらりと目を向けると、堂浦先生に言った。

「お邪魔ですから、少し間を空けましょうか」

笑顔の杉内先生に、先輩は「ありがとうございます」と残し、私を促して店内へ入った。
< 147 / 248 >

この作品をシェア

pagetop