エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
外階段ではないため、電気が照らされ明るい。踊り場で先生は、私の顎を引き上げた。

「隆斗に誘われた?」

強引な先生の行動に、ドキドキしてしまう。人目を気にして、非常階段に連れてこられたことも、私にはときめくものだった。

「はい……。お話があるからと……」

「あいつが、久美に? で、なんの話だった?」

それは、本当のことを言うべきなのかな。先生の話だったし、それもお付き合いを反対されているものなのに……。

答え方に迷っていると、先生は私に顔を近づけてきた。彼の吐息もかかるほどで、どんどん胸が高鳴ってくる。

「言わないのか? それとも、言えない?」

「それは……」

どちらでもあるかも……。話しても話さなくても、先生に心配をかけるのは一緒なんだろうな。

それなら、どっちがいいんだろう。どうしても悩んでしまい、言葉が続かないでいると、先生は私を軽く睨んだ。

そして次の瞬間、唇を重ねた。
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