エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「先生、本気ですか?」

ドキンと、胸が高鳴る。冗談で言われているだけかもしれないのに、まともに受け取っちゃいけない。

すると、先生は小さく頷いた。

「本気だよ。今夜から……ぐらいに言いたいけど、それはさすがに無理か。それなら、明日からはどうかな?」

「そ、そんなに急にですか⁉︎」

先生って、結構強引なんだな……。意外に感じるけれど、私の知らない一面が見えたようで嬉しい。

「ああ、きみと離れているのは心配だから。そろそろ、戻らないといけないな」

腕時計で時間を確認した先生は、私の返事を聞くことなくドアを開けた。

「先生、私まだお返事をしていませんが……」

半ば強引に部屋を出された私は、先生におずおずと言った。

「OKだと思ってるんだけど。違う?」

小さく微笑む先生は、余裕たっぷり。“そうだろ?”と言わんばかりに、私を見ている。

そんな先生に、私は顔が赤くなるのを感じながら小さく頷いた。

「いえ……。先生の言うとおりです」

私が断るわけがないと、先生は確信を持っているんだ。そのうえで、一緒に住もうと提案してきた……。

先生には、私の気持ちはお見通しみたい。私だって、側にいたいもの──。
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