エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
金田さんとは、話を前向きに進めることで一致し、その日は終わった。

会社に戻り課長に報告をすると、とても喜んでくれて、もう少し話を詰めてから、部長へ決裁を仰ぐ予定。

久しぶりの大型案件に、私も気分が高揚する。先生に送ったメールは、いつ見えてもらえるかな。

喜んでくれると嬉しいけど……。そんな期待も抱きながら、退社をし自宅に戻ったタイミングで先生から電話がかかってきた。

「もしもし、先生お疲れ様です。今日は、もう終わりなんですか?」

メールをしたから、電話をくれたのかな? テンションが上がってしまいそうになる。

《ああ、今夜はもう自宅でね。久美からのメールを見て、電話したんだ》

やっぱり……。嬉しくなる気持ちを抑え、なんとか冷静になった。

「ありがとうございます。あまり詳しくは話せないんですが、矢吹病院から担当のご指名をもらって」

《みたいだな。こっちにも、そういう噂を聞いたよ》

「えっ? そ、そうなんですか?」

ソンシリティ病院にまで、こんなに早く話が伝わるものなの……? 今日、私は担当者にあったばかりなのに。
< 164 / 248 >

この作品をシェア

pagetop