エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
《そうだよ。順調にいきそうか?》

「はい。きっと、うまくいくと思います。というより、いかせてみせます」

復帰して、スタートは不安だらけだった。それでもここまでこれたのは、先生のお陰でもあるし……。

これからも応援してほしいし、頑張っている姿を見せたい。

《さすがだな。それより、いつから俺のマンションに来る? 昨夜のこと、忘れてないだろう?》

「あ、はい。もちろんです……」

“それより”って、先生らしくない言葉に、傷つく自分がいる。入院していたときから、応援してもらえていると思っていた。

だから、もっと喜んでくれるかと思ったのに……。私の仕事ばかりを、話したいわけじゃないけど。

それにしても、少し冷たくないかな……。

《きみと、あまり離れているのは不安でね。話ができても、こうやって電話だし。顔を見ながら、会話をしたいんだ》

「先生……」

そっか。電話だと、伝わりにくい部分もあるかもしれない。メールよりは、ずっと近くに感じるけれど、それでも顔を合わせるほうがいい。

今だって、先生と直接会っていれば、受け止め方が違ったかもしれないんだ……。
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