エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
痛いくらいに抱きしめられ、息もできないくらいに唇を塞がれる。

「せ、せんせ……」

私だって、先生とずっと一緒いられるのだから嬉しい。だけど、これじゃあご飯が作れない……。

優しく彼の体を押し返すと、唇が離された。

「先生、お料理したいので……」

顔が赤くなっているのを自覚しながら、彼を控えめに見る。すると、先生は、穏やかな笑みを浮かべた。

「ごめん、邪魔した。俺も手伝うよ。なにをしたらいい?」

「大丈夫です。今夜は、私が作りたいので。お気遣い、ありがとうございます」

だって、今日から新しい毎日が始まるのだから……。

「だけど」

それでも気にする先生に、私は笑みを向ける。

「さっき、お風呂を沸かしたんです。先に入ってください。その間、ご飯を作っておきますね」

彼の背中を押すと、クスッと笑われた。

「分かった。きみの言うとおりにするよ」

「ごゆっくりしてくださいね」

明日から、先生はまた忙しい日々が始まるのだから、疲れを出さないようにしないと。

先生がお風呂に向かったのを確認し、私は夕食作りを進めた。
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