エリート外科医と過保護な蜜月ライフ

かなり勢いよくぶつけられ、私は右足の骨折と神経損傷で緊張手術。

そのお陰で、一か月の入院生活を宣告されたのだった。

「もう……最悪」

涙が一筋流れてきたとき、コンコンとドアがノックされて慌てて拭った。

「小松さん、調子はどう？」

部屋に入ってきたのは、主治医の堂浦柊也（どううら しゅうや）先生だ。

堂浦先生は、三十歳のイケメンエリート外科医。私は健康が取り柄で、病院とは無縁だったけれど、それでも知っているくらい、この先生は有名だ。

なぜなら、とにかくルックスがいい。長身で手足が長く、若干タレ目の甘い顔立ち。通った鼻筋と適度な厚みの唇、そして自然な感じでアレンジされた黒髪。

目を引く外見に加え、先生はこの『ソンシリティ総合病院』の御曹司でもある。

彼の祖父が理事長で、父親が院長をしている。さらに腕の良さも一流で、アメリカで難しい手術を成功させたとかで、一躍有名人になった。

メディアでも、何度か取り上げられていたから、知っていた。