エリート外科医と過保護な蜜月ライフ

「ありがとうございます。じゃあ、素敵な食器を探しますね」

と言うと、微笑んだ先生が、チラリと私を見た。私だって、とても嬉しい。

いくら、一緒に生活しているとはいっても、あの部屋は先生のもの。

好みがあるだろうから、勝手に買い揃えられないと思っていたのに……。

一時間ほど経ち、車は港に着いた。カップルやファミリーで溢れかえっていて、とても賑やか。

先生の高級車は、かなり目立つようで、駐車場へ乗り入れると、道行く人の視線を集めていた。

さらに、降りてきた先生に、女性の視線は向けられている。

「目立ってますね」

背伸びをして先生の耳元で囁くと、彼は私を一瞥するように見た。

「だから？」

「えっ……。だからって、つまりその……」

いつもの優しい先生とは思えない反応に、戸惑ってしまう。人目を引くほど、先生が素敵……と言いたかったけれど、喜んでもらえなさそう。

すっかり尻込みした私に、先生はクスクス笑いながら耳元で囁いた。

「久美以外の女性には、まったく興味ない。余計なことは、考えなくていいよ」