エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「なんだか、先生に甘えちゃってばかりですよね」

車に乗りながら、ため息混じりに言うと笑われてしまった。

「いいじゃないか。きみが喜んでくれるなら、俺は嬉しいけどな。久美の笑顔が見たいんだけど」

私の笑顔……。そうよね。申し訳ないと思うより、嬉しい気持ちを出すべきなんだ……。

「ありがとうございます。私、どれもとても大切にします。ネックレスも、毎日身につけるので」

彼に向けて微笑むと、嬉しそうに微笑み返してくれた。

やっぱり、“申し訳ないです”より、“ありがとうございます”かもしれない……。

私も先生の笑顔を見ると、嬉しい気持ちになるから。

「こちらこそ、ありがとう。さあ、帰ろうか。そろそろ、二人きりになりたい」

「はい……。私もです」

ドキドキする。こんな風にデートをするのも楽しいけれど、二人きりの時間はもっと楽しみ。

夕陽に染まる海を眺めながら、車は軽快に走っていった──。
< 209 / 248 >

この作品をシェア

pagetop