エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
先生のマンションは、リビングからもバスルームからも、そしてベッドルームからも夜景が見渡せる。

そんな贅沢な空間なのに、私には先生が一番輝いて見えていた。

「ん……。先生……」

食事もお風呂も終えた私たちは、当たり前のようにベッドで体を重ねる。

彼の愛撫を受けながら、思わず身をよじった。

「久美……。きみが側にいてくれるだけで、俺はどんなことも頑張れるよ」

囁かれるように言われて、私はさらに体が熱くなってくる。

「それは、私もです。先生が側にいてくれること以上は、なにも望みません」

と言うと、彼の濃厚なキスで唇を塞がれた。何度も強く舌を絡められ、息ができないくらい……。

そのうち首筋にキスが移ってきたとき、先生が静かに言った。

「きっと、きみより俺のほうが、側にいてほしいと思ってる」

「え……?」

ボーッとする頭で聞き返すように返事をすると、先生は穏やかな笑みを見せる。

「離さない、ずっと。だから、久美も俺から離れないでくれ」

「離れるわけ……ないじゃないですか」

涙が込み上げてくるくらいに、先生の言葉が嬉しい。彼の背中に手を回すと、再び唇を塞がれた。
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