エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「……なるほど。そういう事情だったのか」

会社に戻り、応接室で課長に真実を報告する。話すのも恥ずかしいほどだけれど、隠すわくにはいかい。

「本当に申し訳ありません。私自身のプライベートのせいで……」

頭を下げて謝罪をすると、課長の優しい声が聞こえてきた。

「小松さんが、事故に遭って悔しい思いをしたことも、その後取り返すように頑張っていたことも知っている。きみのせいじゃないよ」

「課長……」

頭を上げると、課長は頷いた。

「部長には、俺からうまく伝えておく。小松さんの必死さが、金田さんを動かしたんだろう。果報は寝て待てだ。しばらく、様子を見よう」

「ありがとうございます……」

とはいえ、恵さんが許してくれるのか自信はない。先生との結婚に、こだわっているみたいだし……。

課長は、私が考えていた以上に、私を見てくれていたんだ……。入院していたとき、自暴自棄になっていたことが情けない。

それが間違っているよと、教えてくれたのは先生で、そこから私はここまでこれた。

会社にも一課にも、恩返しできると思っていたのに……。

落ち込み気味に応接室を出てデスクに戻っていると、他課の女子社員の声が聞こえてきた。

「小松さんって、本当に迷惑。営業部、外れればいいのにね」
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