エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
事故で入院をしたとき、私は自分がもう必要とされていないと思っていた。

でも、それは勝手な思い込みだと先生に教えてもらった。思い返せば、課長はお見舞いにも来てくれて、復帰後のフォローもしてくれている。

身近に、私を応援してくれている人がいるこてに、全然気がついていなかった……。

私のせいで、課長の評価が下がるなんて絶対に嫌……。なにがなんでも、恵さんを説得したいけれど……。

「小松さん、郵便です」

「あ、ありがとうございます」

郵便? なんだろう。事務の女性から渡された茶封筒には、社名も名前も書かれていない。

丁寧に封を開けると、なかにはチケットらしきものと、一枚の便箋が入っていた。

それは恵さんからで、途端に緊張が走る。手紙を読むと、今週の日曜日に開かれる、船上パーティーへの招待が書かれていた。

「これって……」

先週、先生と市場へ行ったときに見た豪華客船……。たしか、一般開放もされるんだったよね。

その場所に、どうして恵さんが私を? 手紙には、その日に以前話した“条件”の答えを聞きたいと書いてある。

だけど、それ以外に詳しいことは書かれていなかった。
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