エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
彼の行動に、恵さんもア然としている。その彼女の側を通り過ぎた先生は、私の前に立ちその箱を開けた。
「先生、それは……?」
なかには、まばゆい光を放つ指輪が入っている。花形のモチーフで、ダイヤが無数に散りばめられている。
「きみへプロポーズするために、頼んでおいた指輪だよ。デザインはオリジナルだから、世界に一つしかない。今朝、店に取りに行ってきた」
「プロポーズ……?」
でも私は、先生にお別れを告げたのに……。嬉しいと思う気持ちと、それを自制する気持ちとで苦しい。
すると、横から甲高い声が聞こえてきた。
「待って、柊也さん! 私との結婚は、どうされるんですか? 彼女は、あなたと別れていいと言っているんですよ?」
恵さんは、先生の腕をすがるように掴む。だけど彼は、冷たくふりほどいた。
「彼女が、本意で言っていないのは明らかだ。それに僕は、あなたと結婚しないと先ほどもきっぱり言いましたよね?」
静かに、そして冷静な口調だけれど、言葉に怒りが込められているのが分かる。
ほとんどパニック状態の恵さんは、さらに先生に迫った。
「じゃあ、彼女の仕事はどうなるんですか? うちとは、大型契約になる予定だったんですよ?」
「先生、それは……?」
なかには、まばゆい光を放つ指輪が入っている。花形のモチーフで、ダイヤが無数に散りばめられている。
「きみへプロポーズするために、頼んでおいた指輪だよ。デザインはオリジナルだから、世界に一つしかない。今朝、店に取りに行ってきた」
「プロポーズ……?」
でも私は、先生にお別れを告げたのに……。嬉しいと思う気持ちと、それを自制する気持ちとで苦しい。
すると、横から甲高い声が聞こえてきた。
「待って、柊也さん! 私との結婚は、どうされるんですか? 彼女は、あなたと別れていいと言っているんですよ?」
恵さんは、先生の腕をすがるように掴む。だけど彼は、冷たくふりほどいた。
「彼女が、本意で言っていないのは明らかだ。それに僕は、あなたと結婚しないと先ほどもきっぱり言いましたよね?」
静かに、そして冷静な口調だけれど、言葉に怒りが込められているのが分かる。
ほとんどパニック状態の恵さんは、さらに先生に迫った。
「じゃあ、彼女の仕事はどうなるんですか? うちとは、大型契約になる予定だったんですよ?」