エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「ありがとうございます。これからも、どうぞよろしくお願いいたします」

夫妻を見送って、部屋には先生と二人きりになる。予想外の展開ばかりで、頭が追いついてこないけれど、彼の微笑みを見て少し落ち着いてきた。

「久美の気持ちは、伝わってきた。仕事を頑張りたいきみも応援する。だから、離ればなれでなく、側で見守らせてもらえないか?」

「先生……。勝手にお別れすることを考えたのに、呆れたりしないんですか?」

私のことを、好きだと思ってくれるの……? 大事なことを、相談しなかったのに。

「しない。きみの性格は、分かってるつもりだから」

そう言いながら、先生は指輪の箱を持ってそれを開けた。そして、指輪を取り出す。

「久美、俺と結婚してほしい。きみの側で、きみを守り続けたい」

「先生……。でも私、さっきお別れしてくださいって、言っちゃいました」

気まずい思いで言うと、先生はクスッと笑った。

「俺が、それを受け入れるわけないだろう? 今夜、プロポーズするつもりだったんだ。久美、きみを離したくない。俺のものになって……」

左手薬指に、指輪がはめられる。指からこぼれ落ちそうなダイヤを見つめながら、涙が一筋流れた。

「はい……。私も、本当は先生と離れたくありません。よろしくお願いします……」

涙声で答えると、先生に抱きしめられた。
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