エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「ありがとう。本当にいいのか?」

「もちろんです。先生、相変わらず多忙なんですよね? お体には、気をつけてください。それでは、失礼します」

「あ、小松さん。待って」

最後に笑みを見せて、その場を立ち去ろうとしたとき、先生に呼び止められた。

「は、はい……」

なんだろうと不思議に思いつつ、鼓動が速くなる。先生の言葉一つに、とても意識してしまっていた。

「小松さんは、隆斗の後輩だったんだよな。 あいつとは、特別な関係なのか?」

「いえ、違います。高校を卒業してから、連絡を取り合うこともなかったので……」

どうして、そんなことを聞いてくるの? さらに鼓動が速くなり、顔が熱くなってきた。

「そうか。それなら、これを渡しても大丈夫ということだな」

「え……?」

先生は白衣の胸ポケットから、小さなメモ帳を取り出すと、それを一枚剥がしてペンでなにかを書いている。

そして書き終わると、それを私に手渡してくれた。
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