エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
不安が大きくて、高野さんが渋るなら持って帰ろうと思っている。だけど彼女は、クスクスと笑って、レジカウンターの前に貼ってくれた。

「面白いと思いますよ。苦情が出るようなら、剥がしますから」

「本当ですか? ありがとうございます。先生方にも、商品を気づいてほしくて……」

ホッと安心しながら、高野さんに笑みを向けた。高野さんと商品を冷蔵庫に並べながら、今までとは違う充実感を覚える。

誰かの役に立てるかも……そう思ったら、とても嬉しくなっていた。


「それでは高野さん、明日お電話をします」

売り上げ状況や受注確認のため、電話の約束を取り付ける。高野さんは、笑みを浮かべて頷いた。

「ええ。なにかありましたら、こちらからもご連絡しますね」

商品を陳列している間にも、お見舞い客らしき人が、タチバナ飲料の商品を買ってくれていた。

掴みは上々のようで、明日の売り上げ状況を聞くのが楽しみ。それに、いずれは先生たちにも手に取ってほしい……。

そう願いながら、私は病院をあとにしたーー。
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