エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「え……? プライベートで……ですか?」

瞬時には意味が飲み込めず、呆然とする。スマホを握る手が、少し震えていた。

《嫌でなければ……と謙虚になれたらいいんだけど。俺はきみに会いたい》

彼のストレートな言葉に、胸がときめいてくる。嬉しいけれど、戸惑いのほうが大きい。

「先生……。嬉しいです。でも、どうしてですか?」

どういうつもりで、先生は言っているの? それを確かめたくて、静かに聞いた。

鼓動が速くなる胸を押さえて、私は次の言葉を待つ。

《小松さんのことが、どうしても気にかかってしまった。きみが、また頑張れているのかなとか……》

「ご心配を、かけてしまってたんですね」

そんなに、先生が気にかけてくれるほど、入院中の私は態度に問題があったのかな……。

“医師”として、私を気遣ってくれているのに、胸をときめかせてしまい恥ずかしい……。

《勝手に、心配していただけだ。会ってもらえないか?》

「はい……。喜んで。先生のご都合に合わせますので」
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