エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「復帰したばかりなのに、仕事が好調だな」

課長にそう言われ、思わず笑みがこぼれる。ソンシリティ病院に加え、新規営業先での受注も受け、なんとか仕事が形になり始めていた。

「他の営業さんたちに比べれば、まだまだですが、頑張ります」

照れくさく感じながら応えると、課長は優しくポンと私の肩を叩いた。

「小松さんなら、すぐに肩を並べられる。ソンシリティ病院の納品も無事済んだし、週末はリフレッシュしてきて」

「はい。ありがとうございます」

そう、明日はいよいよ先生との約束の日。今夜はスーパーに寄って、カップケーキの材料を買う予定。

今日の仕事も無事に終わり、急いで退社支度をするとオフィスビルを出た。

自宅の近くには小さなスーパーがある。駅前ということもあり、深夜まで営業している店。

そこで材料を買い揃えると、自宅へ向かった。普段なら、仕事疲れで足取りはゆっくりなのに、今夜は自然と速くなる。

部屋へ着くと早速、カップケーキ作りに取りかかった。夕飯を食べることも忘れて作ったケーキ。こんなに楽しいと思えたのは、久しぶりかもしれない……。
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