エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
もっと会いたいです
先生が連れていってくれたお店は、モールから約二十分ほどの場所にあった。

国道に面した二階建て建物で、一階が駐車場になっている。カジュアルな雰囲気を想像していたけれど、高級感に溢れ落ち着いた佇まいだった。

「行こうか。小松さんに、気に入ってもらえたらいいんだけど」

「はい。とても、楽しみです」

車を降りて階段を上がる。先生と二人きりで食事だと思うと、途端に緊張が増してくる。

店内に入ると、赤が基調の品のあるインテリアで、オレンジ色の光を放つシャンデリアが目に飛び込んでくる。

見る限り、満席だった。やっぱり、土曜日の夜は人が多いみたい。待つことを覚悟したとき、三十代前半くらいの女性店員がにこやかに声をかけてきた。

「堂浦先生、いらっしゃいませ。いつものお席へご案内いたします」

「よろしく頼むよ」

先生も、慣れた感じで返事をしていて、私は心のなかで驚いていた。

常連なんだ……。すごいな。こんな高級なお店、私は利用したことはないのに。

息を呑みながら先生について歩いていくと、奥の個室へ通された。

丸テーブルが中央に置かれ、壁際にはソファとローテーブルがある。食事後も、ゆっくりできるようになっていた。
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