エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
いつもの部屋と言っていたくらいだから、ここは特別に空けられている部屋……なんだろうな。

私にとっては珍しく、辺りを見回してしまう。花瓶に生けられた花は綺麗だし、テーブルには大人の手のひらサイズほどのブリザードフラワーの小箱が四つ、置かれていた。

「綺麗ですね……」

思わずテーブルに歩み寄ると、先生が一つ手に取りそれを渡してくれた。

「これは、サービスだから、貰って帰って大丈夫」

「そうなんですか? 素敵……。あの、ここはVIPルームなんでしょうか?」

貰ったブリザードフラワーの小箱を優しく持ち、先生に確認するように聞いた。

こんなプレゼントまであって、驚いてしまったのだけど……。

「そうだな。VIPルームというんだろうな。この店では、そういう呼び方はしていないみたいだけど」

先生は穏やかに言うと、席に着いた。きっと先生にとっては、こういう部屋は普通なのかもしれない。

小箱をバッグにしまい、彼の向かいの席へ座ろうとすると声をかけられた。

「こっちに座らないか?」
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