エリート外科医と過保護な蜜月ライフ

それもそうで、先生は大病院の御曹司で、未来の院長候補の人。見た目も中身も完璧で、エリート外科医なのだから。

私を特別な感情で、見てくれるわけがない。そう自分に言い聞かせて、もう一度会いたいと思う気持ちを抑えた。

だけどその夜、先生からメールがきて、私の心は揺れてしまう。

手作りのカップケーキの感想で、好みの甘さで美味しかったこと、そしてお礼が書かれていた。

でもそれも、先生の優しさ……。そこを、勘違いしないでいよう。

《お体には気をつけて、ご活躍ください》

そう返事をして、その夜は眠りについた。


「小松さん、おはよう。今日はソンシリティ病院へ行く日だっけ？」

出勤すると、課長に呼ばれて一日のスケジュールを確認された。

復帰してもうすぐ一か月。時間が過ぎるのはあっという間で、なんとか仕事は軌道に乗り始めている。

復帰前に比べればまだ足りないけれど、だいぶ受注の数字が上がってきた。