エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
トータルケアもやりたいと言っていた先生は、毎日患者さんのことで、頭がいっぱいなんだろうし……。

どうすれば、先生に会えるんだろう。連絡をしたら、仕事の邪魔になりそうで出来ないな……。

「小松さん、納品ありがとうございます。また連絡くださいね」

商品の陳列が終わると、高野さんがそう声をかけてくれた。私は笑みを返すと、小さく頷く。

「はい、必ずご連絡します」

高野さんへ挨拶をすると、売店をあとにした。こんなに近くに来ていても、先生と顔を合わせることもできないなんて切ない。

せめて、商品だけでも預かってもらえたらいいのに……。営業用に持ち歩いている試供品を見つめながら、ため息が出てくる。

すると、背後から呼びかけられた。

「久美ちゃん、久しぶり」

振り向くと、隆斗先輩が立っていた。

「先輩! 本当にお久しぶりです」

入院中にお見舞いに来てくれて以来、先輩とは会っていない。もう一度、お礼を伝えたかったから、再会できてよかった。
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