エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「久美ちゃん、怪我はすっかり良くなったみたいだね」

白衣姿の先生は、ポケットに手を入れて笑顔で私を見ている。

「はい。仕事も無事に復帰できました。入院中は、お見舞いに来てくださって、ありがとうございました」

そうお礼を言うと、先輩は困ったように微笑んだ。

「いや、元気になってよかった。仕事、順調そうだね。売店のことが、医師たちの間でも話題だよ」

「いい意味で……ですよね?」

恐る恐る聞いてみると、先輩はアハハと笑った。

「そうだよ。ポップが目を引くし、みんな興味津々だったな」

「それなら、ホッとしました」

これからも、順調にこの病院で商品提供ができたらいいな。そう思いながら、カバンから試供品のジュースを取り出した。

ビタミンたっぷりのフルーツジュースだ。

「先輩、これを差し上げます。あまり持ち歩いていないもので……。他の先生には内緒に……」

そっと手渡すと、先輩は笑顔を浮かべ受け取ってくれた。

「ありがとう。大事に飲ませてもらうよ」
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