エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
急に気になったけれど、先輩も私も勤務中で、これ以上話をする時間がない。

先輩とはそこで別れ、次のアポ先へ向かう。一目でもいいから、先生を見たかったな……。と思う自分に、かなり戸惑う。

どうしてこんなにも、先生のことを考えるんだろう。会いたいと、願う自分に困惑していた。


その日の夜、自宅に帰り寝支度を整え、テレビを見ながらくつろぐ。

バライティー番組を観ているけれど、いまいち集中できていない。テレビ画面がついているだけで、ボーっとしていた。

どうしても、先生のことを考えてしまう。もう勤務は終わったのかなとか、毎日手術をしているのかなとか、そんな思いを巡らせていた。

それと、先輩に預かってもらったジュースは、先生の元へいったかな……。

なんだか落ち着かない。テレビを消して、今夜はもう寝よう。そう思い、ベッドへ上がったとき、スマホが鳴った。

思いがけない着信に驚きつつ確認をすると、それは先生からで急いで出る。

「も、もしもし小松です。堂浦先生ですか?」

緊張で言葉が震えて、恥ずかしい……。

《ああ、そうだよ。ごめん、夜遅くに電話をした》

先生の声は、明るく言っているけれど、どこか疲れているみたい……。

心配になり、それまでの高ぶった気持ちが落ち着いてきた。

「先生……。もうお仕事は、終わられたんですか?」

《いや、今夜は当直だ。だから、呼ばれたらすぐに行かないといけない》

「そうなんですね……。昼間も、急患があったみたいで、大変だったんじゃないですか?」
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