エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
《大変なのは、毎日だからな。それより、ジュースありがとう。隆斗から受け取った》

「いえ、お時間があるときに、召し上がってください」

隆斗先輩も忙しいのに、すぐに渡してくれたんだ……。優しいな。兄弟仲が悪いかもなんて、私の思い込みだったのかもしれない。

《もう飲んだよ。でなければ、疲れて電話なんてできない》

「先生……」

まさか、わざわざお礼を言うために電話をしてくれたの? 疲れているのに?

胸に熱いものが込み上げながら、スマホを強く握った。

《メッセージに書いてくれたろ? 無理しないでと。だから、こうやって少し休憩してる》

電話の向こうで、先生がフッと笑ったのが分かり、私は胸が高鳴ってくる。先生に、少しは気持ちが伝わったなら、嬉しいのだけど……。

また会えたらいいなと思うけれど、勤務中の先生に言うのは違うよね。

“頑張ってください”

その言葉を残して電話を切ろうかと考えたとき、先生が言った。

《小松さん、今度の日曜日に会えないか?》
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