エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「そんな……。私の甘さを教えてくれたのは先生です。先生に刺激を受けたのは、私のほうですから」

そう言うと、先生は小さく微笑んだ。その笑顔は、何度見てもドキドキしてしまう。

「それは、お互いが刺激し合ってるって思っていい?」

先生の優しい言葉に、私はどんどん胸が高鳴ってきた。お互いが刺激し合っている……?

そういうことになるんだ……。

「そう……ですよね。ただ、私が先生の刺激になるなんて、おこがましいですけど……」

恥ずかしくて、視線をそらしてしまいそうになる。でも、先生が私を真っ直ぐ見つめるから、それはできなかった。

「そんなことない。小松さんの気遣いは、俺たち医師の間では、もう当たり前に認識されてる」

「だけど、先生。私は仕事でもあるんです。半分は、営業の一環でもあるのに……。褒められるのは、返って申し訳ないです」

「高野さんは、そう言ってなかったよ。小松さんから、無理な営業をかけられたこともないし、フォローも満足だと」

高野さんが、そんな風に言ってくれていたの……? それに、先生も様子を聞いてくれていたってことよね。

ほんわかと、心が温かくなっていくよう……。
< 71 / 248 >

この作品をシェア

pagetop