エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
そうか……。先生は忙しくて、次の約束ができないんだ。今日は本当に、たまたまゆっくりできるだけ……。

「そうですよね……。先生は、多忙ですから」

分かっているつもりなのに、いざ考えると寂しい。電話やメールだって、頻繁にはできないのだろうし……。

「立場上、俺はどんなときでも、医者であることを優先しなければいけない。もちろん、きみと一緒のときでさえも」

「はい。分かっています。私は、そんな先生を応援したいので」

だから、自分の仕事も頑張ろうって思えたのだから。私は、医者としての先生を見るのも大好き……。

「ありがとう。だから、二人きりのときは、きみとの時間を堪能したい」

そんなにまで言ってくれる先生の気持ちが心底嬉しいし、その想いに応えたい。

それに、私だって先生との二人だけの時間を、たくさん作りたいから……。

「それなら、私のマンションへ来ませんか? 狭いですけど、ゆっくりはできますし」

大胆だったかな……。でも、これなら二人きりの時間が作れるし、先生に送ってもらう必要もなくなる。

きっと先生のことだもの。今日だって、自宅まで送り届けてくれるつもりなのだろうし。
< 78 / 248 >

この作品をシェア

pagetop