エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
すると先生は、笑みを浮かべた。

「お邪魔して、いいのか? 」

「もちろんです。なにもない部屋ですけど……」

可能限り、ゆっくりしてほしい。そう考えていると、先生が私の手をギュッと握った。

温かくて、筋の締まった先生の手が私の手を包む。それだけで、とてもドキドキしてしまう。

「じゅうぶんだよ。久美がいてくれるのだから」

「先生……」

こんなに、ストレートに想いをぶつけられたのは初めてで、胸が熱くなってくる。

先生がどうして、そこまで私を好きになってくれたのか、それは不思議に思うところもあるけれど、先生の言葉を素直に受け止めよう──。

そして私も、自分の想いを先生に伝えていきたい……。
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