エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「高野さん、こんにちは。お困りのこととかないですか?」

今日は、二週間ぶりのソンシリティ病院への営業。先生と付き合って、約一週間。今日まで、お互い連絡を取っていない。

土日も一人で映画を観たり、ウィンドーショッピングをしながら過ごした。

外来は日曜が休診とはいえ、入院患者さんがいるから、先生の日曜出勤はある。その間にも、きっと当直があったり、大変だったに違いない。

それを分かっているつもりなのと、綾子の言葉が頭に残って私からは連絡をしないでいた。

本当は会いたいし、たくさん話がしたい。だけど、先生の仕事の邪魔にはなりたくないから、我慢しなくては……。

「そうですね。商品の発注を、もっと簡単にできたらいいんですが」

「発注ですね。分かりました」

今は電話メインだものね。それだと、手を取られる時間が多くなってしまうのかもしれない。

高野さんには、他にFAXやタブレットにて注文できることを伝えると、どちらも希望した。

彼女にやり方をひととおり説明すると、聞き終えた高野さんが笑顔を向けてくれた。

「ありがとう、小松さん。これで、タチバナ飲料の商品をもっと売ることができるわ」
< 87 / 248 >

この作品をシェア

pagetop