エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「大丈夫です。先生は、お仕事が終わったんですか?」

《いや、今夜は当直なんだ。少し落ち着いてるから電話した》

当直なんだ……。本来なら、仮眠を取ったりする時間よね。それなのに、私に電話をくれるのは、私を気遣ってくれているから……。

「先生、私は大丈夫ですから、仮眠を取ってください」

《え?》

「私は、毎日仕事が充実していますし、休みの日もゆっくり過ごしてます。だから、先生はお仕事を頑張ってください」

今夜、先生から連絡をもらえなかったら、付き合っていることが、夢のように思えていた。だから、とても嬉しくてもっと話がしたい。

だけど、先生の重荷にだけはないたくないな。会えなくても、私は大丈夫だと彼に伝えたかった。

《久美、ありがとう……》

「いいえ。先生、少しは休んでくださいね。それじゃあ、また……」

ゆっくり電話を切ると、大きく息を吐く。これでいい。先生に安心して、仕事に打ち込んでもらいたいから。

先生からの電話で、疲れが飛んでいった気がする。声が聞けて、本当によかった。

でもやっぱり、会いたいな──。
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