エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
先生の溺愛が始まっちゃいました
「先生……。私も、本当はとても会いたかったです……」

会いたいと言われて、胸が熱くなってくる。もしかして、先生はここで私をずっと待ってくれていた……?

口ぶりからだと、帰宅途中だったから……のような雰囲気だったけれど。きっと違う──。

「俺と付き合うことに、そこまで気を遣わないでほしい。ありのままの久美でいいから」

先生はそっと、私の手を包み込む。そんな風に手を握られたら、離せなくなっちゃう。

「はい。でも、先生はお忙しいのに、私が会いたいって言ったら……」

そう言うと、先生はまるで私の言葉を遮るように応えた。

「嬉しいよ。俺に会いたいと言ってくれるなら、それは嬉しい。迷惑なんかじゃない」

「でも……。先生のことは、たくさんの患者さんが必要とされています。私が、邪魔な存在になるわけにはいきません」

「避けられるほうが心配になって、きみのことばかり考えてしまうけどな」

クスッと笑った先生は、私の手を優しく引いた。

「今夜は、俺のマンションへ招待する。来てくれないか?」
< 95 / 248 >

この作品をシェア

pagetop