たった独り事



「現実的に考えるのであれば、事実ではありません。」



先輩はにこにこしながら私の言葉が続くのを待っている。




「私の目に猫は映らないし、鳴き声も、息をする音もしません。触ることもできない。存在の定義には値しないと思います。」



先輩はにこにこしたまま。



< 4 / 21 >

この作品をシェア

pagetop