常に上手な上司の攻略法
無事に、あのグレーのお洒落なマンションの前にタクシーが停まる。



そのまま葉山主任を降ろして自分の家に帰ろうかと思ったけど、



このままだときっと部屋まで辿り着けないだろうな…



と思い、お金を払って一緒にタクシーを降りた。




先ほどと同じように、肩を組むような体勢でマンションの中に入る。



「バッグ開けますよー!」



と言って葉山主任のバッグの中から鍵を探し、



エントランスのセキュリティを解除する。




エレベーターに乗ると、葉山主任が5階のボタンを押す。




エレベーターの扉が開き、一番角の部屋まで歩く。




葉山主任はずっとヘラヘラしながら、



ごめんね~なんて言っている。




もはやいつものクールな葉山主任の面影はどこにも無い。




強いて言うなら酔ってもイケメンな顔くらいだ。




部屋の前に着き、鍵を開けて玄関に座らせようとしたが、肩を離してくれる気配がない。




葉山主任が靴を脱いで中に入ろうとするので、



すぐに私も靴を脱いで今にも倒れそうな彼を支える。

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