常に上手な上司の攻略法

ということで、いつまでもこんな所で話している暇は無い。


配属先に移動するため、同期とタクシーで新幹線のある駅へ向かう。



駅の改札で別れを惜しむ同期を見ながら、なんとなく寂しいとは思いつつ、



早く配属先に行って挨拶をしなくては！！



という考えが私の頭の中の大部分を支配する。



我ながらなかなか冷たい人間だ…なんて思っていると、



「咲玖ちゃん、そろそろ行きますかー！」



とイケメン塩海くんに呼ばれ、他の同期にお別れの挨拶をして新幹線に乗る。








塩海くんは初めて会った時から゛咲玖ちゃん”と下の名前で呼んできた。



そんな経験が無い私は正直、馴れ馴れしい人だな…なんて思ってしまった。



しかし他の人もみんな下の名前で呼び合っていたので、これが普通なのかと割りきることにした。




と言っても、私は同期の男子の下の名前なんて一度も呼んだことはないけど…。