常に上手な上司の攻略法
気付けば息が上がり、その場に倒れこんでいた。
誰か助けて……
と声を振り絞るが、
広いセンターでそんな私には誰も気づいてくれるはずがない。
どれくらいそうしていたのだろうか。
「紅松さん!!大丈夫!!?」
という葉山主任の声が微かに聞こえる。
顔に葉山主任の大きな手が触れたかと思えば、
次の瞬間、
私の体はふわりと浮かんでいるようだ。
もしかして…
葉山主任にお姫様抱っこなるものをされている……!!!?
そんなことを考える余裕があるならまだ大丈夫だ
と思っていたが、そこで私の記憶は止まった。