常に上手な上司の攻略法
葉山主任と二人きりになって、
安心したのか全身の力が一気に抜けて、
その場に座り込む。
自分でもわかるくらいに震えが酷い。
葉山主任もその場にしゃがみ、
「怖かったよね……」
と言いながら私のことを優しく抱きしめる。
いつもならきっと興奮しすぎてヤバイんだろうけど、
今、そんなことを考える余裕が私にはない。
今はただただその優しさに甘えたかった。
どれくらいの時間、そうしていたかわからない。
私の震えもある程度収まった頃、
「帰ろうか」
という葉山主任に私は小さく頷く。