常に上手な上司の攻略法
二人で須坂部長の所へ行き、



できる限り明るく挨拶をして会場を後にした。



式場から駅まで歩く間、



葉山主任はずっと私の震える冷たい手を



優しく握ってくれていた。




電車に乗り、隣に座るが、お互い一言も話さない。




そのまま電車を降りて家まで送ってくれることに。




今日に限っては、断る元気も残っていなかった。





ほとんど言葉を交わさないまま、私の住むアパートの前に着いた。




葉山主任は



「また明日」



と優しい声で言ってくれたので、



私は少し震える声でお礼を言った。
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