届かぬ想い
立ち止まっていた俺のほんの2メートル先を横切った時に見えたのは―――




前を向き流れる涙もそのままに歩いているアヤノの姿。



泣いてる?

まさか、あのアヤノが?



そんな顔でどこまで歩いていくのか。

もう電車なんてとっくに終わっている。




――なんで泣いているのか



何故かその日。

アヤノのその横顔が頭から消えなかった。
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