届かぬ想い
案内されて店に着くと赤ちょうちんのぶら下がるオッサンの憩いの場という印象の一杯飲み屋。

地元飲みのときはいつもここでするらしいけど、これは明らかに合コンではない。

飲みたい気分だからちょうどいい。ケド、


アヤノがいると知って、飲みたいという気持よりも先にあの時のアヤノは本当にアヤノだったのか確認したかった。


だけどアヤノは俺からは遠い所に座っている。

優太の隣に



「朔也、今日はマジ飲みしていい?」


めずらしく純哉がそんなことを言うから、


「いいけど?どうした?」


「たまには女抜きで飲みたい時もある」


ハハッ、そういうこと。

たしかにな。
女がいるとマジ飲みするわけにはいかないよな、後の事を考えると。
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