届かぬ想い
最近気づいたけど、純哉は酒好きだったらしい。

一緒に飲むときはほぼ合コン。

そこで純哉が深酒するはずがない。もちろん俺も。


そいや、純哉は自分の事をあまり話したがらない。住んでる場所もいまだにわからない。


「なぁ純哉ってどこに住んでんの?」

「東横線沿線」

「いあ、それは知ってるけどさ。……一人暮らしじゃないよな?」


ずっと思ってた疑問。

出身高は地元で一番の進学校。

本来なら一人暮らしのはず。だけどバイトをしている様子はない。

しかも着ているものはけして安いものじゃない。

それにそこはかとなく漂ってくる育ちの良さ。


「…こっちに家あるから」


あぁやっぱり。

酒が入ってるから答えてるのか

聞かれたから答えたのかわからないが、純哉はそこからポツリポツリと話し始めた。
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