届かぬ想い


「は?お前に何がわかんの?」

「わからないわ、そんな事」


わかんないのに言うなよ。

だいたい、人の話勝手に聞いてんじゃねーよ。


「してみる前からあきらめる?詰まらないわね、そんなの」


相変わらずのきれいな顔を少し歪めながらも何度もつまらないつまらないっていうアヤノ。

アヤノは俺の前でいつもこんな風に怪訝な顔をしてくる。


「優太に言われたから呼びに来ただけ」

「あっそ。それはどうもありがとう」


わざと丁寧に言った俺の言葉など聞く様子もなくそのまま優太のもとへ帰るアヤノ。

呼びに来ただけなら、さっさと声かければよかっただけじゃないのか?


「朔也、おまえさ」

「何?」


今まで目の前で黙って酒を飲んでいた純哉が急に話しかけてくるから俺は機嫌の悪いまま答えた。
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